Baker & Spice

上海発、この1年の間に北京でその存在感を加速度的に高めるデリ系列店。話題の「北京王府中环店」開店を機に「国贸商城」にも進出。「Tribe Organic」「Moka Bros」といった北京発の健康志向カフェを好敵手に、首都北京でもしのぎを削ります。

その名の通り、ペイストリーとデリの高級専門店というのが経営母体「Wagas」傘下における位置付け。加えて店内ではワインの物販も充実、店内でそのまま楽しむ事も出来ます。各種揃った地元銘柄は各生産国より直接買い付け、傘下ワイン輸入商としての役割も果たします。

店舗における食事のメニューは、その大部分を「Wagas」と共有。キッシュ等、洗練度の高いデリ品目とブレッド類の豊富さで差別化がなされます。その原点、上海「安福路」店の開店は2010年。上海の流行発信地です。「王府中环」の店舗も施設内の一等地を占有。「More than a bakery」を掲げ北京、そして上海のデリカフェ文化の最先端を牽引し続けます。



「Lemongrass Chicken Bowl 香茅鸡肉碗」70元は「Grains Rice 杂粮米饭」を選択。「Cranberry Scone 松饼」16元と。


「Chorizo Tomato Red Pepper Rocket Omlet 西班牙香肠番茄红椒芝」68元。



人気の「Penne Chicken Pesto 香草鸡肉空心面」60元。グラスワインは黒板の「Heartland Spice Trader Shiraz-Caberne 赫德兰香料商人西」45元です。



ワイン類の物販も充実。以上、王府井の「北京王府中环店」です。



亮马桥のグランドサミット「北京官舍」店と第一号店、上海「安福路」店の外観です。

Baker & Spice
Beijing WF Central 北京王府中环店
電話番号: 010 6526 6580
住所: 北京市东城区王府井大街269号 王府中环西楼1层111A号

Beijing Grand Summit 北京官舍店
電話番号: 010 8531 5082
住所: 北京市朝阳区东方东路19号 官舍F111号

Shanghai Anfu Lu 安福路
電話番号: 021 5404 2733
住所: 上海市徐汇区安福路195号1楼

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上海おしゃれグルメを総括 後編

前回に引き続き第二弾。当ブログお薦め上海おしゃれグルメ店ベスト11~20位を紹介させて戴きます。人気店がひしめき合う上海の飲食店から20店、まさに苦渋の選択です。今回の一軒目、第11位は五原路の新人気店「Bird and Bitter」です。

11. Bird and Bitter

当ブログでは「ゆる系」と表現させて戴きました。フレンチを基盤に自由な感性で創り出されるメニューは選んで楽しい逸品ばかり。肩の力の抜けた店舗作りが常連客を虜にします。レストランとカフェの2店舗体制で運営されています。

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12. Rac

上海ガレットの新定番。安福路の最西端という立地からも瞬く間に名所化。ガレットも大満足、写真映えする一軒として人気を確立します。定番人気ベーカーリー「Sunflour」は、ほぼお隣になります。

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13. La Mesa

 ロストヘヴン社の複合型飲食店「More Than Eat」に再注目。新店テクスメクス「La Mesa」は通りに面した最も目立つ一画を占有、窓も巨鹿路に向けて全開です。以前にも増して人の流れがこの界隈に集まっています。

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14. Green & Safe

东平路の目印的存在。かつ上海における元祖有機食材人気の火付け役。2012年8月の開業から丸7年。平日、週末を通して常時満員状態。上海おしゃれグルメの人気定番店として必須の一軒です。

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15. Liquid Laundry Kitchen & Brew

上海地ビールの雄、「Boxing Cat Brewery 拳击猫」マイクロブルワリーの系列店かつ旗艦店的な存在。食事、ラウンジ、カウンターテーブル、音楽と多彩な楽しみ方も大型店ならでは。こちらも連日満員御礼につき予約は必須です。

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16. Luneurs Boulanger & Glacier

クロワッサンを一品料理の域に高める次世代名ベーカリー。極薄かつパリッとこしの有る生地が一層一層、ひらひらと舞う絶品です。

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17. Pirata / 比拉达厨房

ここ数年の間に移転、新設を繰り返す事数回。「上生·新所 コロンビアサークル」を現在の主な拠点とします。 元はといえば重鎮「El Willy」からの独立。上海流タパスの本流を受け継ぎます。

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18. Cejerdary / 蟹家大院

当ブログでは、つい先月「上海の麺専門店特集」の一軒として紹介させて戴きました。ほぼ看板「蟹黄金」360元の1メニュー展開。上海蟹の季節、特に訪れたくなる上海ならではの名店です。

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19. Colca

その見た目の美しさで世界を魅了するぺルビアン料理。その本領を存分に満喫する事のできる稀有な一店です。立地は地下鉄衡山路站とほぼ直結。玄人受けという観点からベスト20店に選出させて戴きました。

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20. Diner

 多彩な食文化を誇る上海。是非ともベスト20に選出しておきたいのが、このアメリカンダイナーです。2017年5月、待望の開店。メニューにはハンバーガ―にパンケーキ、マックアンドチーズと期待通りの品々が並びます。

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近年記憶に新しい所では「Dr Wine」「Dr Beer」突然の同時閉店等、立ち退きや入れ替わりの激しい上海のグルメ業界。今回は料理、店舗、立地、話題性、実績、顧客層といった要素を判定基準に、当ブログなりにおしゃれグルメ度トップ20を選定。そこには既に長期実績のある飲食店に新規開店、いずれの場合にも今後5年あるいは10年の時を超えて支持され続けるであろう名店が名を連ねていた筈かと存じます。

その中で今回は2018~2019年の上海おしゃれグルメをまずは一旦、振り返り。今後のご生活、お仕事、観光の際のお役に立てれば幸いにございます。次回からも引き続き何卒よろしくお願い致します。

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上海おしゃれグルメを総括 前編

2018年1月1日の元旦より「北京上海おしゃれグルメ日記」を始めて1年と8ヶ月。これまで紹介させて戴きました上海のおしゃれ飲食店の数は新旧織り交ぜ約40店。その中からあくまで現時点、かつ当ブログなりのベスト20店という形で上海のおしゃれグルメの今を整理させて戴ければと存じます。まずは10店、上位からの紹介となります。

1. Mr & Mrs Bund

強力な支持顧客層に完成度を極めたメニュー、長年の実績と圧勝の第一位です。上海そしてアジアを代表するミシュラン三ツ星シェフ、ポールペイレ氏の発想が店舗体験の随所に発揮されます。「Ultraviolet」の創造性を身近に。

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2. Le Bouchon

新店に注目が集まりがちな中、第2位に選出の店舗は上海最古といわれるビストロ店。「Le Bouchon」です。選出の理由は今も尚、連日満員御礼という愛好家層の圧倒的な支持。そのレシピはとても古典的なフレンチ。かなりの濃厚めの味付けはどこか懐かしく、感動的です。2017年10月に店内を改装しての再開店。予約は必須です。

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3. Bella Napoli

第3位に選出させて戴きましたのも老舗。耳しっかり、薪の高温でもっちと焼き上げられたピッツァはナポリの本流です。市内に2店舗展開、気軽に通って楽しいナポリタンピッツァの名店です。

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4. Together / 愚舍

2018年6月開店の新店です。登場時の存在感はここ数年来の中でも群を抜いて輝いていました。オープンキッチンの最前列には指揮を執るシェフ、その臨場感に圧倒されます。メニューはアジアとフレンチの融合、創作料理です。

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5. Sumerian Coffee

上海おしゃれカフェの決定版。外壁等を塗り替え、見た目シックな装いになりました。安福路の姉妹店「Boom Boom Bagels」と共に必須の一軒です。

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6. The Commune Social / 食社

上海エディションとの協業、ホテル内全飲食店の監修で注目を集めるジェイソンアサートン氏。「The Commune Social」は2013年、旧「Table No.1」に次ぐ上海二つ目の店舗として開業。以来、おしゃれな人達の社交場としての地位を確立して来ました。ミシュラン一ツ星、セレブシェフのタパス料理と共に会話が弾みます。

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7. Oha Eatery / 知觉食堂

おしゃれな安福路の今後を先取りした趣きの注目店。欧米諸国料理店が軒を連ねる中、中華及びアジア割烹料理は異色かつ新鮮です。店内は基本的にカウンターのみの22席。こちらも予約必須の新人気店です。

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8. Mercato

居住者に加え、全世界からの出張者と観光客を魅了する外滩。真に洗練を極めた一流店のみが競争と淘汰を生き抜く超激戦区です。そこで強豪となるのは、やはりミシュランシェフとその監修店。中でも「Mercato」は一等地「外滩3号」の4階部分を占有、その存在感と特別は圧巻です。大型店かつ連日連夜、店内は熱気で溢れます。

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9. Stone Brewing Tap Room

カリフォルニア州サンディエゴより上陸。昨今、数ある大型ブルーパブの中で最も勢いを体感できる一軒です。通りとしてのおしゃれ度急上昇中、愚园路の立地も10位圏内に選出の一要因です。

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10. Hiya / 日矢

第10位は話題性抜群、最新流行店からの選出。上記「The Commune Social」でもお馴染みのセレブシェフ、ジェイソンアサートン氏の新店です。外滩の表通りから南京东路を入って約400メートル。上海エディションホテルのメインダイニングとして「Mr & Mrs Bund」「Mercato」といった人気ミシュランシェフ店と真っ向張り合います。先端都市、上海の最も華やかな側面を体験するに最高の選択肢です。kalakauaavenue.hatenablog.com

さて以上が厳選中の厳選。当ブログなりに選出させて戴きました上海のおしゃれグルメ上位10店となります。選定の基準はもちろんおしゃれグルメ度。料理、店舗、立地、話題性、実績、顧客層とほぼ直感的に評価させて戴いております旨ご了承の程戴ければ幸いです。次回は残りの10店、いずれも今回の10店と拮抗の名店ばかりです。引き続き何卒よろしくお願い致します。

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Georgia's Feast

北京あるいは全国でも希少なグルジア料理とグルジアワインの専門店。2015年3月の開業以来、支持層を着実に拡大。固定客層も厚く既に老舗の風格です。

Georgia's Feast 格鲁·秀色」で提供されるのは伝統的なグルジア料理。創業のきっかけは旅行で訪れた旧グルジア。フレンチ、スペイン、ドイツ、イタリアと西欧の各国料理が充実する中、一味違った選択肢を加えたいとの意図からの開業です。店名の「秀色」に込められているのはグルジアの色鮮やかで美しい食卓の眺め。現ジョージアから料理長を招聘しての店舗運営です。調味料の多くはグルジアから搬入、食材は近隣「三源里菜市场」にて確保と品質には徹底の方針を貫きます。

メニューにはグルジア料理代表的な品々を網羅。料理と共にグルジアワインの輸入商としても重要な役割を担います。三里屯北小街のほぼ突き当り、亮马河傍に立地。近隣「Assaggi」の前を通り、閑静な大使館通りへと食事の後の散歩も心地よい北京定番の一軒です。



グルジアワインは若い「Monastery Iveron 修道院系列」と5年等、長期熟成された「Dougladze Wines 独格拉则系列」の2系列。「Saperavi Dry Red 萨别拉维干红」358元、グラス78元。酢と檸檬でさっぱり、かつピリッと塩辛な「Tbillisi Style Slad 第比利斯沙拉」38元と。



看板メニューの一つ「Chkmeruli 奇克美露里」88元。皮も美味しい骨付き鶏肉のサワークリーム掛けです。


グルジア料理と言えばハチャプリ。「Adjarian Khachapuri 阿扎尔哈恰普里」78元は中央の卵を混ぜて戴きます。焦げのある耳の部分も美味しいチーズブレッドです。


 Georgia's Feast 格鲁·秀色
電話番号: 010 8448 6886
住所: 北京市朝阳区三里屯北小街2号

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云南省茶旅特集 後編

云南省茶旅特集 前編」「云南省茶旅特集 中編」に次ぐ特集第三弾。今回の訪問先は、2020年の世界遺産登録申請を目指し大いに活気付く景迈(Jǐngmài)山です。「普洱景迈山古茶园」の正式名称にて2013年1月29日、ユネスコ世界遺産暫定一覧に掲載。「景迈山古茶园」と近隣の農村集落を含む中心地、2,703.07ヘクタールが文化遺産の対象とされています。緩衝地帯の設定範囲は周囲14,000.21ヘクタール。世界遺産登録時にはこれら全区域の環境が保全されていく事になります。世界遺産への登録申請は毎年、暫定一覧の中から一国一推薦遺産のみ。地域と云南省では2020年、国からの推薦を目標として急速に環境整備が推し進められています。

5. 景迈(Jǐngmài)山

凡そ千年前と、云南省「新六大茶山」の中でも特に古い時代から茶葉の栽培がなされていた景迈山。行政区画としては「云南省普洱市澜沧(Láncāng)拉祜族自治县」東南部の「惠民乡」に属する地域に相当します。省内の近隣市街地、勐海の中心街からは北西に約80キロメートル。車で2時間強の位置となります。他の「新六大茶山」がいずれもシーサンパンナ「云南省西双版纳傣族自治州勐海县」内にあるのに対し、景迈山のみが隣の「普洱市」に移動しての訪問。茶山の西側はミャンマーとなります。

考証上、景迈山における茶葉の歴史は約2千年 。芒景の上座部仏教寺院「缅寺(Miǎnsì)」木塔にある石碑にはタイ語で西暦696年、すなわち1300年前から茶葉の栽培が始まったとの記述がなされています。当時はほぼ自給自足、その後も茶葉の交易は馬道の通っていた東南アジアあるいは南アジアとのみ。一つの転機は1950年の国慶節の北京。毛沢東国家主席に芒景布朗族最後の長より景迈山の古樹茶「小雀嘴尖茶」が紹介されます。葉は厚く銀色、先端の尖った珍品です。これ以降、輸送基盤の整備と共に国内での流通が急速に発展を遂げます。1966年には国営工場「景迈山惠民茶厂」設立、近代的な設備による中国茶生産も始まる事になります。

景迈山の古樹茶園は総面積で2.8万亩、うち栽培面積は約1.2万亩。行政区画上「普洱市澜沧拉祜族自治县惠民哈尼族乡景迈村民委员会」と同乡内「芒景村民委员会」の2つの村民委员会管轄区域をまたぐ16,173亩が「景迈芒景万亩古茶园」と総称されます。北西と南東に長い地形で、海抜は1,100メートルから1,662メートル。土地は北西側が高く、平均海抜は1,400メートルとなります。平均気温摂氏18度の亜熱帯モンスーン気候、年間1,800ミリメートルと降雨量はかなり潤沢。土壌は赤土です。域内には「景迈村民委员会」下の糯干、勐本、芒埂、帮改、笼蚌、笼蚌南座、「芒景村民委员会」の芒洪、翁洼、翁基、老酒房、那耐といった十数個の村落が点在。茶葉は布朗族と傣族により栽培。年間茶葉生産量は2,000トン、制茶の後に500トンが出荷されます。

茶園の大部分を占めるのが樹齢100年以上の古樹。景迈山では十分に揉捻するのが伝統的な手法、茶葉は黒く細長い形状に仕上がります。遮光された斜面で時間をかけて成長する為、苦みよりも渋め。素早く訪れ持続する甘い後味「回甘」と強い唾液分泌作用「生津」に特徴があります。茶湯はオレンジ色に近く、木や山といった野性の香りが強く感じられます。蘭の香り「兰花」は普洱茶の中でも最高峰の一つと評価されます。


中心地入口付近の飲食店。世界遺産登録申請に向け環境の整備が進みます。



文化遺産区域内にある10村落の内、傣族伝統村落4つと布朗族伝統村落5つが遺産指定要素。その中でも上座部仏教寺院の美しい景観で知られるのが傣族の「糯干(Nuògàn)古寨」村落、1枚目の写真です。2枚目の写真は村落北側にある丘の上、寺庙(Sìmiào)様式の上座部仏教寺院「翁基寺」から望む布朗族「翁基(Wēngjī)古寨」村落と壮大幽玄な云南の山々。寺院敷地内にも古樹があり、寺院用の茶葉が栽培されています。行政区画上はそれぞれ「普洱市澜沧拉祜族自治县惠民哈尼族乡景迈村委会糯干」「普洱市澜沧拉祜族自治县惠民哈尼族乡芒景村委会翁基」となります。




記録によると1139年には既に茶葉を取引、景迈山の古樹園の中でも特に名高い「景迈山大平掌古茶园」とその古樹。傣族200世帯により管理が行われています。茶園の海抜は1,500メートル前後、面積6,000亩。写真の幹の太さで凡そ樹齢300~400年程度の古樹と推定されます。高い所の枝は茶樹の高さを抑える目的で常に裁断。挿し木として新たに植え替えられます。やがて挿し木から芽が出始め、葉に成長。一般的に挿し木の成功確率は30%程度となります。



推定樹齢500年程度、茶葉量豊富な古樹。単樹での普洱茶加工にはこの程度の茶葉量が必要になります。単樹の普洱茶の価格は約5倍です。同じ古樹から「采摘」間近、あと少しで茶摘みできそうな一芯二葉です。



今回は景迈山で最初に創設された民間中国茶製造企業、名門「澜沧景迈长宝」社の本社兼工場を訪問。建築面積4,000平方メートル。敷地内には普洱茶の加工工場に商品展示室、茶室、景迈山茶文化展示、宿泊用客室、農場を完備。荘園様式が再現されています。

茶葉生産者として家の二代目となる黄长宝氏は1991年、思茅地区すなわち現在の普洱市第一号となる茶業の事業許可書を試験的に取得。1999年に「澜沧景迈长宝」社が設立されます。現在は第三世代、黄庆芬氏と黄劲松氏の姉弟で運営。黄庆芬氏は布朗族名「依萝」での活動での知られる人物です。2015年からは普洱市の筆頭国営企業「天下普洱茶国有限公司」社と戦略的提携、景迈山茶葉の普及と周辺環境の整備を推進します。



来る世界遺産登録申請記念として制作、2017年の新茶です。2017年の3月、「清明节」前に茶摘みされた「明前茶」です。并茶には約3か月後、2017年7月1日に加工と明記されています。遠くに熟普洱茶の香りを感じる新茶、生普洱茶です。



香り高い今年春、2019年の新茶です。晴天が多くゆっくりと成長した2019年の新茶は生産量も限られると同時に、ここ10年内で最も香りが強く出る傾向にあります。一煎目の口当たりはすっきり、三煎目から少し苦みと共に強い印象。「澜沧景迈长宝」社で摘まれるのは毎年、春の新茶のみとなります。



今年の春紅茶、滇红です。茶葉の色彩は黒。「香香甜甜」かつ果物の香りも芳醇、とても印象的な紅茶です。云南の大葉種を原料とすた白茶、「月光白」を開発したのも同社。伝統を継承すると同時に云南省茶文化の発展を牽引していく景迈山とその老舗生産者です。

澜沧景迈长宝
電話番号: 0879 752 2516
住所: 云南省普洱市澜沧拉祜族自治县惠民哈尼族乡景迈村民委员会芒埂组

以上三回に渡りお付き合いいただきました「云南省茶旅特集」となります。早くに国内交易の始まった「澜沧江」すなわちメコン川東側の「古六大茶山」地区。特集の前編では所謂シーサンパンナの中心地、「景洪市」市街地を拠点に「基诺山」を訪問させて戴きました。ここでは少数民族「基诺族」農家における普洱茶の加工工芸について紹介。続く中編では「勐海」を拠点に「新六大茶山」に属する「布朗山」と「南糯山」を訪問。前者では「拉祜族」により茶葉の栽培が行われる「贺开村」へ、後者は観光地としても名高い「半坡老寨」を紹介させて戴いております。そして最終回となる後編では市をまたぎ、普洱市へ移動。世界文化遺産への登録申請を目指す「景迈山」について紹介させて戴きました。今回の取材で訪問させて戴けたのは計12の新旧各「六大茶山」のほんの一角。次回訪問の際には再度、新規情報の更新及び今回とはまた違った側面からの紹介をさせて戴ければ幸いに存じます。

云南省茶旅特集
前編 中編 後編

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Mosto

北京のおしゃれ系創作料理店として長らく存在感の際立つ定番店。一つの世代から次の世代の支持層へ、脈々とその人気が受け継がれます。

「Mosto」で提供されるのは南米料理を基本とした現代料理。クスクスやリゾット類といったいかにも南米らしい食材や手法を主軸に、中華もしくはアジア。ほぼ季節ごとに総入れ替えとなるメニューはいつ来ても新鮮です。更には内装やメニュー構成といった大枠も何年かに一度は更新。2008年の開業以来、都度より気軽かつ現代的な感覚のレストランバーへと進化を遂げています。

料理を指揮するのはベネズエラご出身の Daniel Urdaneta 氏。上海等にも進出済みの姉妹店、「Moka Bros」を含む系列全体の総料理長です。同じく「那里花园」ビル内の元祖「Moka Bros」は今年7月より南側正面から北側1階に大型移転。系列全体で唯一のレストラン形態店として独特の輝きを放ち続ける名店です。



まずはハウスワイン「Mosto Sparkling」300元。見た目にも美しい「Smokey Salmon Tataki 烟熏三文鱼块」88元と。オレンジジンジャーと胡麻の風味、海苔の香りが鮭のたたきの美味しさを引き立たせます。



主食かつ主菜のフィットチーネ「Shirimp Fettuccini 虾仁意大利宽面」128元に副菜「Potato Gration 干层土豆饼」35元。海鮮中心に構成された夏の季節メニューから。

Mosto 摸石头
電話番号: 010 5208 6030
住所: 北京市朝阳区三里屯路81号那里花园3楼

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上海の麺専門店特集

おしゃれグルメを満喫する上でも麺料理は必須。高級店から各地麺料理の人気店まで、上海の麺料理は多種多様です。今回はそれら代表として3店紹介。いずれも昨今の上海とそのグルメ嗜好を象徴する麺料理専門店です。

上海のこれから、秋冬と言えば上海蟹。星の数程ある中華麺専門店の中でも、ひと際異彩を放つ高級店が上海蟹麺専門店「Cejerdary 蟹家大院」です。創業は2015年秋と比較的最近。以来、店内に掲示のメニューは3品のみ。かつほとんどの訪問客が「蟹黄金」と名付けられた最高級版を注文します。一杯360元、麺の上に何重にも敷き詰められた上海蟹は文字通り黄金の輝き。一杯の中に12尾分の上海蟹が使用されています。皮むき等、上海蟹の処理は朝から数人掛かり。厨房にて全て手作業で行われます。

創始者は敬虔な仏教徒である徐净氏。物欲と唯物論が優先される現代の上海において、全ての煩悩を忘れて味わえる麺料理の在り方を追求。そんな悟りの意味合いを込めて戴く「蟹黄金」はまさに上海ならでは、贅沢の極みです。




看板メニューかつ代表作の「蟹黄金」360元。好みの飲料を好きなだけ選択、付け合わせに籠いっぱいの落花生が提供されます。廉価版は準備の皿数も限られており、遅い時間帯には品切れになります。木材で構成された店内空間も広々、外滩の新しい方の店舗です。


こちらは元祖、凯旋店。店先にて順番を待ちます。「蟹家大院」の発音を英単語的に綴ったのが「Cejerdary」です。英語圏の来訪者がそのまま読むと中国語店名の発音に近くなるという意図で名付けられています。

Cejerdary 蟹家大院
外滩店
電話番号: 021 6969 7777
住所: 上海市黄浦区广东路59号

凯旋店
電話番号: 021 5230 0008
住所: 上海市长宁区凯旋路1266号

二品目は恐らく全国規模で最も名の通った上海麺料理の一つ、「味香斋」の「麻酱面」です。2016年9月20日、中国初上陸となった「ミシュランガイド上海 2017」の推薦店として掲載決定。地元でも話題再熱、海外でも一気に知名度を獲得する事になります。

麻酱面自体は主に中国北側で楽しまれるごく一般的な中華麺。ここでの違いは長きに渡り受け継がれてきた秘伝のレシピと製法、歴史の重みです。「味香斋」の前身は1935年開業のコーヒー店。当時「西冷咖啡馆」と名付けられた店舗では各種麺類も提供。その後「向阳饮食店」と名称変更、80年代前半に現在の「味香斋」となります。その間を経て守り続けられたのが麻酱面のレシピと製法。親世代が幼少の頃に楽しんだ味を子供に楽しませるという形で伝統が受け継がれています。

麻酱には同じく伝統料理の炸猪排、上海式豚カツを揚げたビーナッツ油を流用。更にテーブルに出される直前、特製の肉汁を一掛け。ほのかな香りと共にコクのある味わいです。37平米に11卓40席が密集する小規模な店内。まずは入口で食券を購入、座席にて待ちます。麻酱面は是非ともカレー味が人気の小牛汤と共に。



淮海路から雁荡路を斜め南に入ってすぐの右側に立地。最寄りの地下鉄「黄陂南路」駅、あるいは一つ先の「陕西南路」駅からも共に徒歩圏内です。2019年8月時点で「麻酱面」11元、「小牛汤」10元。麻酱面はここの所、数年毎に1元ずつ値上げの模様です。

味香斋
電話番号: 021 6482 8236
住所: 上海市卢湾区雁荡路14号

続いては上海地元の特産麺料理「开洋葱油拌面」の名店「东泰祥生煎馆」です。「开洋葱油拌面」の具材は「开洋」と葱。「开洋」は「虾皮」の吴语で干し海老。これらを炒めたものをソース和えの麺に乗せた簡素な麺料理となります。

「东泰祥生煎馆」はその名の通り「生煎」焼き小籠包の老舗店。2015年よりその伝統的な製法が「非物质文化遗产」として保護対象となっている程の名門です。と同時に、隠れた絶品として名高いのがここの「开洋葱油拌面」です。こしのある麺、海老の香りとパリッとした葱の食感で地元から厚い支持を集めます。特に重庆北路店は24時間営業。一度目の来店時には伝統の「生煎」を満喫、二度目は「开洋葱油拌面」と色々な形で楽しめる定番人気店です。



「开洋葱油拌面」は「蛋皮汤」付きで14元。「虾肉生煎」は4個14元、「特色生煎」9元。以上、2019年8月時点。時々、値上げがあります。

东泰祥生煎馆 重庆北路店
電話番号: 021 6359 5808
住所: 上海市黄浦区重庆北路188号

以上の三店三品が今回特集の紹介内容となります。最後に一店、追記として伝説の名店「长脚汤面」について記録を残しておきます。最終営業日は2019年2月10日の初六、惜しまれつつその30年に及ぶ歴史は幕を閉じています。「长脚」の名称は長身の老板すなわち店主の愛称から。メニューは基本的に「青菜肉丝汤面」一品、50元。辛さの程度と共に必要に応じて60元あるいは70元への増量を注文します。13平米5卓の店舗は住居の一部、厨房は軒先。地下鉄「老西门」駅からは徒歩で5分程度。肇周路から「弄堂」様式の小さな路地を入ったその奥、「长脚汤面」の立て看板を目印に探します。夜遅く21時半を待ってようやく開店、今や幻となった一品に辿り着きます。かつ1日70食限定、支払いは遂に最終日まで現金のみが貫かれてました。今回は肇周路の移転解体に伴い、引退をご決意。上海の名店がまた一つ、伝説として語り継がれていく事になりました。




休業日であったり、何度訪れても辿り着くまで迷った秘密の立地。写真が今や幻となった逸品「青菜肉丝汤面」です。

长脚汤面
旧住所: 肇周路166弄弄堂里
※ 2019年2月10日閉店

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