北京上海おしゃれグルメ日記

kalakauaavenue’s diary

云南省茶旅特集 前編

中国茶を嗜み学ぶ者にとって生産地への訪問は格別の楽しみ。中でも云南省普洱茶最大の生産地である西双版纳(Xīshuāngbǎnnà)、シーサンパンナへの茶旅は難易度も高く中国茶愛好家にとって至極の憧れとなっています。今回の茶旅では「古六大茶山」と「新六大茶山」を中心に各地有数の古樹茶園を訪問、農家及び工場では普洱茶の茶葉と加工工芸を実地見学。中国茶とシーサンパンナ地区、云南省の特に生プーアール茶についてこれより数回に渡り紹介させて戴ければ幸いです。

1. 基诺(Jīnuò)山、旧称攸乐(Yōulè)山と古六大茶山

云南省普洱茶の「古六大茶山」すなわち旧六大茶山の一角を占める基诺山。空港あるいは西双版纳傣族自治州の中心地、景洪市の市街地から車で東に約1時間半の距離に位置します。旧六大茶山とは「易武(Yìwǔ)」「革登(Gédēng)」「莽枝(Mǎngzhī)」「蛮砖(Mánzhuān)」「基诺(Jīnuò)、旧攸乐(Yōulè)」に云南省唯一の小叶种、小葉種生産地「倚邦(Yǐbāng)」の六茶山。いずれも云南省の東北部に密集、明代から1930年代に至るまで普洱茶はこれらの地域が中心となって栽培生産されて来ました。

中でも今回訪問の基诺山は歴史も長く「古六大茶山」一有名とも言える云南大叶种茶の中心的産地です。普洱茶の栽培を行うのは基诺(Jīnuò)族。人口約2万人の殆どが基诺山に居住。国内56番目、すなわち最も直近に認定を受けた少数民族です。「古六大茶山」でも汉(Hàn)族すなわち漢民族による栽培が主流となる中、地元少数民族による栽培生産が維持されている稀有な産地となっています。

基诺山における茶葉の生産量は過去最大で2,000担以上、すなわち年間100トン強。近年は年間50トン程度です。生産量数万担を超える易武山や蛮砖山といった茶山と比べると小規模となります。一般に基诺山の普洱茶は「香气高扬」香りが高く、易武地区のものと類似。口感も易武地区の普洱茶に近い一方、「舌面收敛感」あるいは舌の上での苦みはより明確。口腔の中での広がり、喉を通る時の「深厚」さにも基诺山の普洱茶には特徴があります。「回甘」は特に良好、喉を通ってしばらくの後にほのかに甘い香りが戻って来ます。



西双版纳への玄関となる「西双版纳嘎洒国际机场」IATAコードJHG、英文表記は「Xishuangbanna Gasa Airport」となります。基诺山の各村は行政区画上「云南省西双版纳傣族自治州景洪市基诺山基诺族民族乡」に属します。



基诺山、旧称攸乐山における普洱茶生産の中心地の一つが亚诺村。この人口378名の村の奥、海抜1,300~1,400メートルに位置する茶園が「亚诺(龙帕)古茶山」です。基诺山全体で清代1万亩以上あった古樹茶園の内、現存するのは凡そ2,900亩。換算すると約193ヘクタール。巴来村等、他の村と併せて年間10数トンの古樹茶が生産されます。二枚目の写真は亚诺(龙帕)古茶山」の入口付近の古樹。樹齢は300年程度です。



普洱茶の加工工芸は「采摘、萎凋、杀青、揉捻、晒青」の五工程。午前を中心に「采摘(Cǎizhāi)」すなわち茶摘み、午後は一枚目の写真の様な形で「萎凋(Wēidiāo)」を行います。ここでは茶葉を平らに並べ、水分を除くと同時に一定の所まで前発酵。そのまま夜間等に写真奥の釜にて加熱、「杀青(Shāqīng)」にて発酵を止めます。その後「揉捻(Róuniǎn)」された茶葉は次の日には二枚目の写真、「晒青(Shàiqīng)」工程にて乾燥。完了した時点で「毛茶」すなわち生普洱茶の荒茶の完成となります。さらに村では荒茶の中から黄色い葉、「黄片」を手作業にて除去。この「拣剔(Jiǎntī)」と呼ばれる選別過程を経たものが生普洱茶の「散茶」として村から出荷されます。



鮮やかな緑色の茶葉、一昨日の2019年6月12日に摘まれた夏茶の「散茶」です。新茶に比べて香りも強く、10~12煎目まで戴くことが出来ます。普洱茶は一芽二三叶、一芯二三葉での「采摘」が標準。中でも夏茶は、新茶よりも成長の早い段階で次々と茶摘み。「黄片」として除去されるのは大抵、三叶目の葉の部分となります。

云南では4月から5月末までに摘まれた茶葉が新茶、6月以降8月中旬までは夏茶。降雨量の少なかった2019年の春、ゆっくりと成長した高品質の芽が今年の新茶の特徴となっています。長い期間を通じて成長した新茶は栄養価も高く、20煎目まで楽しむ事が出来ます。

亚诺(龙帕)古茶山
云南省西双版纳傣族自治州景洪市基诺山基诺族乡新司土村委会亚诺村民小组
G213国道兰磨线 

2. 勐海(Měnghǎi)と新六大茶山

基诺山で訪れた亚诺村から山道を西に約50km、「澜沧江(Láncāngjiāng)」すなわちメコン川を渡り景洪市の中心街へ。所謂、西双版纳のリゾート地区が川沿い西側に広がります。そこからほぼ真西へ更に約50km、車で1時間強。勐海の小さな街に到着します。行政区画上「云南省西双版纳傣族自治州勐海县」と区分される地域の総面積は5,511平方キロメートル。南糯(Nánnuò)山を筆頭に「新六大茶山」の内、五つの茶山が勐海县に属します。人口は約33万人、傣(Dǎi )、哈尼(Hāní)、拉祜(Lāhù )、布朗(Bùlǎng)族がその大部分を占めます。


街の入口に「中国普洱茶第一县 勐海」と掲げる勐海は現代における普洱茶生産の中心地。市街地には工場が密集。茶山の農家からは多くの場合、「晒青」された「毛茶」すなわち荒茶の状態で工場に納品。工場では自社農園で摘まれた茶葉と共に最終加工、商品として他地域に出荷される形となります。商品となった普洱茶はそのほとんどが昆明の市場にて売買、取引。「普洱散茶」あるいは「普洱饼茶」として固められた状態にて、昆明から全国及び海外へと流通される事となります。

尚、生普洱茶の状態から10年以上の時間かけて自然に熟成されたものが陈年普洱茶。一般的には問屋の倉庫等で長期間放置する形で製造されてきました。これに対し現在、流通する熟普洱茶は生普洱茶を人工的に発酵させたもの。所謂「45日発酵」として知られる、熟普洱茶の発酵工程を開発したのが勐海の技術者です。遡る事1972年、广东省に出向き英德红茶の発酵技術を習得。試行錯誤を繰り返す中で1973年、微生物を用いて陈年普洱茶に近い味を人工的に再現する発酵法が編み出される事となりました。


以上、次回の第二回目記事「云南省茶旅特集 中編」では「新六大茶山」の中でも最も名の通った南糯山と「半坡寨古茶园」を訪問。布朗(Bùlǎng)族が大多数を占める布朗山において唯一、拉祜(Lāhù )族により茶の栽培が行われる贺开(Hèkāi)村と併せて紹介の予定です。

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