司马台と金山岭长城へ

丁度1年前になりますが、北京市内より1泊2日の日程にて「司马台长城(Sīmǎ tái chángchéng)」すなわち司馬台と「金山岭长城(Jīn shānlǐng chángchéng)」金山嶺の万里の長城を訪問させて戴きました。これら隣接する2つの「长城」を同時に楽しむ模範的な旅程の一例として、今回紹介させて戴ければ幸いに存じます。

北京市中心部から北西の向きに120キロメートル、自動車で片道2時間強。世界遺産登録地「八达岭长城(Bādálǐng chángchéng)」八達嶺に匹敵する知名度と観光地としての人気を誇る名所が「司马台长城」です。全長5.4キロメートルの間に東西計35の塔楼、明代に再建拡張された「长城」がそのまま残る貴重な歴史的建造物です。その圧倒的な存在感は最高峰。東の端「东16楼」が別名、著名な「望京楼」で西端は「后川口」となります。うち「司马台长城景区」として公開されているのは東側「东1楼」から「东10楼」まで。この間、急勾配かつ険しい尾根に沿って聳える城壁は「险、密、奇、巧、全」の醍醐味。絶壁に建つ塔楼眼下には360度、絶景が広がります。東側の「东段」16塔楼と西の「西段」19塔楼の間には「鸳鸯湖」が鎮座。通行止めとなっている西側の先、「司马台长城」の西端は「金山岭长城」東端に繋がります。「司马台长城景区」南側の麓一帯に広がるのが2014年10月正式開業、「古北水镇」の観光村。周囲9平方キロメートルを占有する敷地内には飲食店やお土産店が点在、設備も新しくとても快適に時間を過ごす事が出来ます。

かつては「司马台长城」からそのまま徒歩で約4時間、その西隣に位置するのが「金山岭长城」です。「司马台」から「金山岭」へ、以前はトレーニング目的としても馴染みの定番であったと聞き伝えられます。「金山岭长城」と北京市内中心地の距離は約130キロメートル、自動車で2時間半強の道程です。前述「司马台长城」の東端「司马台东16楼」すなわち「望京楼」から「金山岭长城」の西端「龙峪口」までは全長10.5キロメートル、この間67の塔楼に「烽燧」狼煙台3つと「关隘」関所5つを備えます。現存する全長6,259.6キロメートルの万里の長城、その中でも最も美しいと称される「金山岭」の城壁と建造物。所謂「金山岭长城」の東端は「司马台水库」すなわち「鸳鸯湖」まで、「司马台长城西段」の19塔楼が重複する形でその範囲に含まれます。比較的なだらかな斜面の中、「东五眼楼」すなわち「司马台西14楼」が最高地点となります。地理的には「司马台长城」が北京市内「北京市密云区」に位置するのに対し、「金山岭长城」は「北京市密云区」から「河北省承德市滦平县」を跨ぐ形で建設されております。

今回の訪問の出発点は北京市の中心部、1泊2日の旅程です。主な交通手段として初日の午前から2日目の夕方まで丸2日間、ハイヤーを調達。北京市の中心部との往復、及び「司马台长城」と「金山岭长城」間の移動をお願いしおります。現地周辺では恐らく最大手「Watertown Hotel 古北水镇大酒店」を「Ctrip 携程旅行」すなわちTrip.comにて事前予約。初日は夕刻の「司马台长城」とその麓の観光村「古北水镇」を堪能、2日目は午前中から「金山岭长城」でのハイキングを楽しむという計画です。「长城」最高峰と称される「司马台」とその絶景、加えて美しい「金山岭长城」での鍛錬と贅沢な2日間。北京市中心部から近郊の「长城」万里の長城を訪れる模範的な旅程の一例として紹介させて戴きました。改めまして皆様、北京市及び「长城」ご来訪時のご参考になれば幸いに存じます。



現地に着いたらまずはチェックイン。「Watertown Hotel 古北水镇大酒店」は「司马台长城景区」の麓に建設された「古北水镇」観光村の入口ほぼ真正面に隣接する大型ホテル。「司马台长城景区」周辺では定番中の定番、利便性及び設備的にも安心感が有ります。この日の夜間ロープウェイ「索道」の稼働は17時半から。「古北水镇」を散策しつつ「夜游活动」用乗車券の販売開始時間を待ちます。


ロープウェイ「索道」乗降場所から10分強、「司马台长城」の城壁付近に到着。夏の夕刻、「司马台东6楼」から「司马台东7楼」を見上げます。小雨の後、うっすらと半円の虹の掛かった貴重な瞬間です。下の写真は「司马台东7楼」から「司马台东6楼」への下り、西に圧巻壮大なパノラマ眺望が広がります。「长城」はこの先、「金山岭」へと連なります。



日没に向かい続々と集まる「司马台长城景区」への来訪者。お目当ては日没後の「长城」ライトアップ、まだ明るいこの時間帯から場所を確保し始めます。



飲食店やお土産は麓の「古北水镇」へ。各種イベントも有り、夜間も混雑。明けて日の出は部屋から、朝日を背後に山の尾根に沿って連なる「司马台长城」城壁を望みます。チェックアウトの後に、ハイヤーと待ち合わせ。お隣の「金山岭长城」へ向かいます。


「金山岭长城」の全体像。右手が西で左が東です。まずは麓の「景区中门」にてハイヤー下車。運転手とは下山後、隣に併設の駐車場「停车楼」での待ち合わせとなります。登山道への入場券はシャトルバスの乗車券と共に「金山岭长城游客中心」で購入。登山道入口までは小型のシャトルバスで移動します。


今回は右回りにて登山、徒歩にて「沙岭口」を目指します。入場券は登山道入口の「检票处」にて回収。ロープウェイ「索道下站」乗降場を左手横目にそのまま道路を進みます。



「沙岭口」到着、「沙岭口东方台」から左手手前にすぐお隣の「黑姑楼」と中央奥に「小金山楼」を望みます。ここから「小金山楼」まで「金山岭长城」を西から東へ進んでいく形で堪能します。「小金山楼」からはロープウェイ「索道」で下山。先の登山道入口に戻ります。一般的には登山道入口からロープウェイ「索道」で「小金山楼」まで登山、「沙岭口」から徒歩で下山という逆回りの進路も人気です。



「一号敞楼」を通り抜け「二号敞楼」「小金山楼」と東へ。「二号敞楼」から反対側、西側に 「一号敞楼」「黑姑楼」とその先を望みます。屋根の付いた建物が「黑姑楼」です。



目的地「小金山楼」に到着。建物の中では簡単な物販が行われています。一つ先の「大金山楼」を遠目に、ロープウェイ「索道上站」乗降場へと小路を下って行きます。尚、ロープウェイが走るのは「长城」の北側斜面。従いこちらの写真では左が東となります。現在は一部公開中止となっていますが、地理的には「大金山楼」を越えて更に東に進んだ先が「司马台长城」の西端となります。

Watertown Hotel 古北水镇大酒店
電話番号: 010 8100 9999
住所: 北京市密云县古北口镇司马台村
プランとご予約: Trip.com

併せまして下記、2020年世界遺産登録申請を目指す云南省「景迈山」の紹介です。

kalakauaavenue.hatenablog.com


 

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